酸化焼成OF
OXIDATION FIRE
本焼成の焼成方法のうちのひとつ。酸素が十分に供給されている焼成方法。完全燃焼状態。
焼き物のボディや釉薬の中の金属酸化させて溶かすため、黄色がかった色味になる。
CERAMIC
ABOUT CERAMIC
焼き物には、陶器と磁器の他にも色々な種類があります。
種類 | 熟成温度 | 吸収性 | 透光性 | 原料 | 特徴 | |
---|---|---|---|---|---|---|
磁器ボーンチャイナ・ |
1200〜 1350℃ |
× | ○ | 陶石 |
たたいた時に金属音を発する。 上釉薬をかけているので汚れやにおいがつきにくい。 |
|
陶器土物 |
1100〜 1350℃ |
○ | × | 粘土カオリン・モロカイトを多く含む |
たたいた時に鈍く低い音がする。 洗浄後は陰干しが良い。 厚手で素朴な風合いがある。 |
|
土器植木鉢・ |
700〜 900℃ |
○ | × | 粘土 |
窯を使わず野焼きで焼成。 釉薬はつけないが彩色具を釉薬としないことが前提である。 |
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炻器常滑焼・備前焼 |
1200〜 1300℃ |
× | × | 粘土アルカリや鉄などを多く含む |
たたいた時に鈍く低い音がする。 陶器と磁器の中間的なもの。 釉薬が無くても水漏れしない。 |
「白い陶器」と一言で言っても、真っ白や黄色がかった白など様々な色味が存在し、種類が細かく分かれています。
種類 | 生地/釉薬 | 焼成方法 | 色味 | 特徴 | |
---|---|---|---|---|---|
ボーン チャイナ |
ボーンチャイナ 透明釉 |
酸化焼成 | 白 |
ボーンは骨(Born)、チャイナは磁器(China)。 骨灰(牛骨)を45%使用している為高価。 大変優雅で気品のある質感。 |
|
ニュー ボン |
ニューボン 透明釉 |
酸化焼成 | 黄味よりの白 |
ボーンチャイナに似た質感を出そうと日本で開発された磁器。 骨灰の代わりにカオリンを使用。 ボーンチャイナに比べ安価で強度がある。 黄色がかった柔和なイメージ。 |
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乳白 | 並土 乳白釉 |
酸化焼成 | 乳白色 |
一般的な磁器。乳白色の釉薬をかけ酸化焼成している。 色がより白いため転写に最適。 |
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白磁 | 白磁 透明釉 |
酸化焼成 還元焼成 |
ニューボン色 青白い |
一般的な磁器。 焼成方法のちがいにより、酸化焼成ではニューボン色、還元焼成では青白い色になる。 |
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並土 | 並土 透明釉 |
還元焼成 | 青白い |
安価な磁器。基本的に還元焼成のみ。 白磁より青白い色味をしている。 |
QUESTION
OXIDATION FIRE
本焼成の焼成方法のうちのひとつ。酸素が十分に供給されている焼成方法。完全燃焼状態。
焼き物のボディや釉薬の中の金属酸化させて溶かすため、黄色がかった色味になる。
REDUVTION FIRE
本焼成の焼成方法のうちのひとつ。酸素が十分に供給されていない焼成方法。不完全燃焼状態。
酸素不足を起こさせ、焼き物のボディや釉薬から酸素を奪い発色に影響を与える。土の中の成分や酸化金属から酸素が引き出されるため、鉄分が媒溶剤の役目を果たし、透明性が出てくると共に、青みがかった色になる。
PROCESSING METHOD
陶磁器の表面を覆うガラス質の被膜のこと。装飾や防水目的で施される。
色数 | 3000色 |
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発色 | △(薄く明るい色◯ 濃く暗い色◎ 濃く明るい色△ ゴールド・シルバー×) |
耐久性 | ◎ |
耐光性 | ◎ |
塗り方 | 使用色数 | 特徴 | |
---|---|---|---|
全体どぼ塗り | 1~ | 本体全体を同じ色で着色する。口元やハンドルなどカドがある部分は多少色が薄くなる場合がある。 | |
内外塗り分け | 2 | 外側と内側で異なる色を着色する。飲み口部分を外側の色か内側の色かどちらか選択できる。 | |
掛け分け/タテ | 2~ | ストライプのように異なる色を着色する。色と色の重なりは絵の具を混ぜたようになる。 | |
掛け分け/ヨコ | 2~ | ボーダーのように異なる色を着色する。色と色の重なりは絵の具を混ぜたようになる。 | |
ハンドル塗り | 1 | ハンドルだけを着色する。ボディに着色しないようにしなければならないため、付け根部分に空きが生じる。 |
種類 | 印刷方法 | 性質 | 特徴 | |
---|---|---|---|---|
撥水印刷 | スクリーン パット印刷 |
油性 | ペースト状の撥水剤に下絵の具を混ぜたもの。絵の具部分が釉薬を弾き凸凹になる。 基本的に単色でおこなう。 |
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パット印刷 | スクリーン 直刷り |
水性 | スクリーン版に直接絵の具を流し、専用の機械を使って絵をのせる。 絵の具の滲み具合も風合いとして楽しめる。 |
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銅版紙印刷 | スクリーン印刷 専用和紙 |
水性 | 専用の和紙にスクリーン版を使い絵柄を写す。単色使用の場合が多い。 生地に和紙を載せ水の付いたスポンジで叩くとすぐに絵が写る。 |
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手書き | 筆 | 水性 | 呉須(ごす)というコバルト化合物を含む名前の絵具を使用。 粉末にし水で溶かし、模様を磁器に描く。藍色やコバルトブルーのみ。 |
色数 | 300色 |
---|---|
発色 | △(薄く明るい色○ 濃く暗い色◎ 濃く明るい色○ ゴールド・シルバー×) |
耐久性 | ◎ |
耐光性 | ◎ |
印刷範囲 | 片面◎ 全面◯ 外底△ 内部×※線幅2mm以上希望。デザイン配色により再現性が変わります。 |
得意・できること | 不得意・厳しいこと | |
---|---|---|
形状 | ストレートな形状だと印刷面を広く撥水することができる | テーパー型や丸みを帯びた形状だと印刷面に制約がかかり広く撥水することができない |
色数 | 1色だと安定して撥水ができる | 2色以上は印刷特性上、版ズレが起こる |
線の太さ | 1mm以上だと撥水が潰れづらい | 1mm未満は潰れの可能性あり |
デザイン | 大きなロゴや単純なデザインはきれいに撥水する | 細かなデザインだと撥水が潰れる可能性がある |
釉薬(ベース色) の有無 |
透明や白釉薬(色無し)だと撥水がきれいに弾きやすい | カラー釉薬や和釉薬だと撥水が弾きづらい色がある |
撥水印刷は凹凸が特徴のデザインです。ボディーの上から貼り付ける上絵具とは違い、釉薬と下絵具の組合せによってうまく表現できるもの、できないものがあります。特徴の一部をご紹介します。
釉薬が透明のため、下絵具の細い線もしっかり印刷できる。釉薬が下絵具の上に載っても絵が隠れることがない。
撥水部分をベタで広くとり、絵を抜きにする。抜いた部分に釉薬が載り、絵が盛り上がって見える。右は下絵具を使ってラインを表現している。ラインの部分が凹んでいる。
ストレートタイプは安定した印刷ができる。
釉薬が溜まっている状態。色が透明なので、デザインの崩れはあまり目立たないが、細いラインの上には釉薬が溜まりやすい。
デザインのラインが太く、釉薬や形も安定してる。
釉薬が下絵具の上に、載っている状態。釉薬に色がついているため、少しデザインが崩れている。
細いラインが特徴的なデザイン。線の幅は、0.3㎜程。凹凸のある形状のため、釉薬の載りにムラが目立つ。直線的な細かいパターンは、あまりくっきりしていない。
デザインのラインが細いため、釉薬が溜まってムラが出ている。
釉薬がマットなため、重なった部分の釉薬が流れにくい。そのため、下絵具部分の釉薬は少し盛り上がり気味になる。コントラストがはっきりしている分、下絵具についた釉薬は目立ちやすい。
釉薬がマットなため、撥水のラインの上部で溜まった状態になっている。
文字の部分と釉薬の間から生地の色が見えている。
口元ぎりぎりのデザイン。
形状が丸みをおびているため、手引きのラインとした。少し絵具にムラがでる。
釉薬が載りきっていない。右の様な細かい部分は特になりやすい。
丸みを帯びた部分まで印刷したパターン。黄色の線より下の部分の文字や絵がつぶれている。
スクリーン版に絵の具を塗布する
撥水剤を付けた素焼きの陶器をスクリーン版が当たるように専用ローラーへセットする
ローラーをころころと転がすとスクリーン版が当たり印刷される
1300度の高温で本焼成し、完成
最も一般的な加工方法です。本焼成した釉薬の上に、陶磁器用転写シールを貼り付けて800度で焼成して焼き付ける。
「生産地」でしかできない本格的な加工です。
色数 | 3000色 |
---|---|
発色 | △(薄く明るい色○ 濃く暗い色◎ 濃く明るい色△ ゴールド・シルバー◎) |
耐久性 | ◎ |
耐光性 | ◎ |
印刷範囲 | 片面◎ 全面◎ 外底◎ 内部◯※線幅0.15mm以上希望。デザイン配色により再現性が変わります。 |
種類 | 道具 | 性質 | 特徴 |
---|---|---|---|
焼成 転写印刷 |
スクリーン印刷 専用転写紙 |
油性 | 専用の紙にデザインを写し、カバーコートをかけたもの。転写シートを水で剥がし貼りつけ、800度で焼成する。上絵付の中で最も一般的であり、色数が豊富。 |
乾燥インク 転写印刷 |
スクリーン印刷 専用転写紙 |
油性 | 専用の紙にデザインを写し、カバーコートをかけたもの。転写シートを水で剥がし貼りつけ、160度で熱乾燥させる。 |
色絵 | 手書き | 水性/油性 | 本焼成後の釉薬の上に焼き物用の顔料絵具で絵付けをしたもの。 有田焼や九谷焼が有名。 |
色数 | 3000色 |
---|---|
発色 | △(薄く明るい色○ 濃く暗い色◎ 濃く明るい色△ ゴールド・シルバー◎) |
耐久性 | ◎ |
耐光性 | ◎ |
印刷範囲 | 片面◎ 全面◎ 外底◎ 内側○※線幅0.15mm以上希望。デザイン配色により再現性が変わります。 |
色数 | 400色 |
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発色 | ◎(薄く明るい色◎ 濃く暗い色◎ 濃く明るい色◎ ゴールド・シルバー×) |
耐久性 | △ |
耐光性 | △ |
印刷範囲 | 片面◎ 全面◎ 外底○ 内側× |
ダイレクトタイプ | 転写シートタイプ | |
---|---|---|
耐久性 | △ | △ |
耐光性 | △ | △ |
印刷範囲 | 片面◎ 全面○ 外底× 内側×※線幅2mm以上希望。デザイン配色により再現性が変わります。 |
印刷方法 | 対応形状 | 焼成方法 | 特徴 |
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ダイレクトタイプ | ストレート 型のみ |
ずれが生じる 場合がある |
下絵とメタモ部分を別々に印刷する。 下絵の転写シートを水で剥がし手作業で貼りつけ、次にメタモ部分をダイレクトで印刷後、熱乾燥させる。 |
転写シールタイプ | 全ての形状に 対応可 |
一体型に なっている |
下絵とメタモ部分を一体転写シール化したもの。転写シートを水で剥がし手作業で貼りつけ、その後熱乾燥させる。 |
マグカップの口元やハンドル・プレートの渕に箔やカラーのライン、塗装を入れる加工です。職人さんがひとつひとつ手作業で仕上げます。
HOW TO MAKE CERAMIC
土(陶土)の堅さを均一にし、土の中の気泡を取り除くために土練りをします。陶土の状態を整える重要な工程です。
練った陶土を成形します。機械ろくろ(ローラーマシン)にて、成形します。
鋳込み(圧力鋳込み・拝泥鋳込み)成形など様々な方法から選択も出来ます。
成形した生地を乾燥します。
ゴンドラのように工場内をゆっくり回りながら工場の中で自然乾燥します。
釉薬を施す前に、成形・乾燥を終えた生素地を低い焼成温度(800℃程度)で焼き締めます。
全体に釉薬を施す事で、吸水性を無くし、
汚れや臭いがつきにくくなり、また、耐久性も増します。
1300℃前後の高温で本焼きをします。焼き方には、酸化焼成(OF)と還元焼成(RF)の2種類があり、焼いた後の色味が違います。
本焼の焼成方法のうちの一つ。外気から十分な酸素が吸い入れられ焼成されます。焼き物のボディーや釉薬の中の金属酸化させて溶かすため、黄色がかった色味になります。
本焼の焼成方法のうちの一つ。酸素不足を起こさせ、焼き物のボディーや釉薬から酸素を奪い、発色に影響を与えます。土の中の成分や酸化金属から酸素が引き出されるため、鉄分が媒溶剤の役目を果たし、透明性が出てくるとともに青みがかった色になります。(例:青磁)
転写シートを生産し、転写を生地に貼り付けます。
もしくは洋絵具、和絵具、金、銀などの上絵を施します。
全ての絵付けが終わったら、
絵付け窯で焼成(ガラス600℃、陶器800℃)します。
目視、触診により検品を行ないます。指示された封入方法をひとつひとつ確認しながら梱包していきます。